■講師・スケジュール:
2023年11月25日(土)
・・14:00~14:05 開演・Creed斉唱
・・14:05~14:50 三輪田様(PEN会員)
・・14:55~15:40 鈴木様(PE会員))
・・15:45~17:15 氣駕様(基調講演、日本機械学会 動力エネルギーシステム部門部門長)
・・17:15~17:20 閉演
・・・YEP参加者は移動
■講演タイトルおよび要旨:
三輪田様:
「防⽕エンジニアへの挑戦」
中⼩メーカーで勤続10年の中堅社員が、営業本部に所属しながらも⼤学の恩師の権威と開発部時代 の知識貯⾦をもとに、頑張ってエンジニアを⾃称している現状を語ります。また、防⽕分野の最近の業界動向のうち⽶国の影響を⼤きく受けているトピックとして、PFAS規制とリチウムイオン電池関連の法改正の2点をとりあげます。時間が余れば、⾒積⽤図⾯を描く業務でBIMが活⽤されない問題の改善策についてお話ししたいです。
鈴木様:
「NSPE 『PE Institute On-Demand』に⾒る⽶国技術者の⾒据える未来」
変化の速い世の中において、我々伝統的技術者はどこに向かうべきだろうか。PE の⽣涯教育であるCPD (Continuous Professional Development) 教材には、PEが「学びたい」「必要としている」内容が反映されており、技術者が向かうべき⽅向性をいくらかでも指し⽰しているのでは、との仮説から、「PE Institute On-Demand」の内容分析を試みた。
氣駕様:
「日本機械学会の動向と最近の活動 ~動力エネルギーシステム部門~」
日本機械学会は,明治30年に機械学会として創設された,会員数3万超の日本最大級の学術専門家集団であり,技術社会の基幹である機械関連技術に関わる技術者,研究者,学生,法人の会員から構成されている。機械に関連する学術分野をカバーする22の部門と地域の活性化活動を中心に行う8つの支部とが縦糸・横糸となり,講演発表会,講習会などの企画実施,市民フォーラムによる社会の啓発活動,国際会議による世界への貢献を行い,会員相互の学術向上と成果の社会還元をしている。活動の中での最近の話題は,会員数の減少,部門の活性化(新部門制,学会横断テーマ,他学会との連携,多様性など)があり,取組んでいる。所属する動力エネルギーシステム部門は,中堅の部門で,産・学・官・民ならびに種々の基礎技術を有する会員が相互に交流し、エネルギーの円滑供給の観点から社会貢献を目指して活動している。講演では,同学会ならびに同部門の最近の活動を紹介する。
■実施報告:
参加者:34名(PE:30名、PEN:1名、FE:1名、非会員:2名(講師含む))
三輪田様:
PE を目指す理由、日本の防火業界の特徴、各部署での業務経験、欧米の影響を受けた業界動向等についてわかりやすくご説明いただきました。防火に関する日本の規制が米国と比較すると特徴的であること、米国に大きな影響を受けていること、電気自動車の普及等が進み、リチウムイオン蓄電池の需要が高まる中、関連基準見直しの要望があることなどを理解できました。全体を通して、社内の部署再編成や業務内容変更など不可避の事情がある中、早くPE になり、自らのキャリアをエンジニアとして頑張りたいという熱いお気持ちが伝わってくるご講演でした。また、会場参加者の中にFire protectionの先輩PEがおられ、貴重な交流の場となりました。本日はありがとうございました。
鈴木様:
技術トレンドと求められるもの、伝統的PEのあるべき姿、NSPEの「PE Institute on-Demand」が扱う題材他についてご説明をいただきました。特に、これから伸びていく業界や経済産業省の重点投資課題について、伝統的PEが貢献できる余地は多くありそうであること、これから問われてくるのは「個人の力量」であること等について、社内で「シェルパ」として企業文化をひとつにつなぐ役割を担っておられる鈴木様ならではの語り口でぐいぐい引き込まれるご講演でした。NSPEの「PE Institute on-Demand」が扱う題材は、技術者倫理、サステナビリティ、多様性、地球温暖化、再生可能エネルギーなどバズワードトピックやAIなどの新技術トピックを数多く扱っていることから、これらが伝統的PEが向かうべき⽅向性を指し⽰しているのでは、との仮説が興味深いものでした。ご講演の最後にあった「米国社会は日本よりも早く製造の空洞化を経験している。いまこそ米国に学びなおす時ではないか」とのお話も印象に残りました。本日はありがとうございました。
氣駕様:
日本機械学会についてのご紹介、最近の活動、 動力エネルギーシステム部門の最近の活動についてご講演をいただきました。伝統があり、会員数が3万人を超える日本で最大級の学術専門家集団ですが、最近の話題として、コロナ以前から続く会員数の長期的減少の傾向に歯止めが掛かっていないこと、特に企業所属会員の継続が課題であること、学生会員の卒業後の継続率を向上することが重要な課題となっているとのことでした。これらの中期的課題に対して、新部門制の試行、学会横断テーマ、他学会との連携、ワーキンググループによる取組みなど、多岐に渡るアクションを展開中とのご説明がありました。会員だった若手が辞めてしまう理由のひとつに「広すぎて(22部門)掴みどころがない」、「何の役に立つのかわからない」といった声が聞かれたとのことですが、一方で「大きな学会だからこそ、様々な分野のエンジニアで議論できる。ここに機械学会の存在意義がある」との氣駕様のお言葉が心に残り、JSPEとしても留意すべきポイントと認識しました。貴学会の益々のご発展を祈念いたします。
以上