東京都認証 特定非営利活動法人

日本プロフェッショナルエンジニア協会

Japan Society of Professional Engineers

資格取得のステップ

米国のPEライセンスは、一次試験であるファンダメンタル・オブ・エンジニアリング試験(FE試験)と 二次試験にあたるプリンシプル・アンド・プラクティス・オブ・エンジニアリング試験、 或いは、単にプロフェッショナル・エンジニア試験(PE試験)と呼ばれる、 全米で、同日、同時刻に実施されるFE試験、PE試験に合格することで、 基本的には取得が可能となります。 両方の試験は、現在は年に2回、両試験とも、NCEES(全米試験協議会)との協定に基づき、 日本PE・FE試験協議会(JPEC)が、東京で4月と10月に試験を実施しています。N CEESは、各州が行う登録業務(ライセンスの発行)以外の、全米のFE及びPE試験問題を作成している団体です。 東京試験に合格すると、別途希望する州に登録することが必要ですが、この時、改めて各州から、 申請者の学歴、業務経験、推薦状などの審査が行われます。

まず、受験者の条件は、以下の通りです。

FE試験: 日本に在住している日本、若しくは米国の4年制理工学系大学卒業者および卒業見込みの4年生。ただし、取得学位の英文名称が(Bachelor of EngineeringまたはBachelor of Science in Engineering)であることが要求されます(学科が生物系、建築系、応用化学系、応用物理系等の場合は上記の学位英文名称にならない場合があるので、予め大学に確認する必要があります)。

PE試験: FE試験に合格していること。日本に在住していること(国籍が日本である必要はありません)。学位取得後、4 年間以上のエンジニアとしての実務経験があること(FE試験合格後4年という意味ではなく、学位取得後と理解願います)。

試験は、午前4時間、午後4時間で、合計8時間の長時間の英語による (米国の資格ですから、当然ですが)筆記試験です。 一次試験のFE試験と二次試験のPE試験は、全く別の試験です。一言で言えば、FE試験は工学の基礎を試すための試験であり、PE試験は専門のエンジニアリングをカバーした試験です。

願書が受理されると「重要なお知らせ」(はがき)が送られてきて、NCEESホームページでの受験登録など説明連絡行われます。また、試験2~3週間前には別途「受験心得」が郵送されてきて、当日のスケジュールや持ち物、禁止物、また電卓型番などの注意事項が示されます。

英語力: 必要とされる英語力は、日本の案内書や解説記事に英検2級とかTOEIC 600 点程度などと記載されることもありますが、そう簡単に言い切れるものでもありません。なぜならば、エンジニアとしての試験であって英語能力の試験ではないからです。従って、次のアドバイスを心に留めて下さい。

試験会場では、解答用紙の記入方法の説明が、日本語で行われます。 ここで「Last Name」=苗字、「First Name」=名前の記入間違いが多くみられますので注意が必要です。なお、試験が開始されてからは、英語の使用が原則となり、質問があれば英語でしなければなりません。

PE試験では、自身のエンジニアとしての専門分野のためテクニカルターム(専門用語)はそれほど違和感は無いかもしれませんが、FE試験のテクニカルタームにはなかなか大変な面もあります。
例えば、数学で integer, imaginary number, transpose matrix などと出てくると、いくら数学が得意でも問題が理解できなければ、答えようがありません(前から順に、整数、虚数、転置行列)。これが、物理、化学、数学、電気、力学、熱力学、材料力学、倫理、エンジニアリング・エコノミー(経済性工学)、コンピューター等、必ずしも自分の得意とする、或いは専攻でない分野に及ぶため、事前にテクニカルタームの勉強が必須となります。但し、FE試験の参考書を勉強すれば、頻出する単語は自然に身に付きます。このような工学の基礎的なボキャブラリーを増やすことは、英語で仕事をする上では非常にプラスになる基礎能力を高めることになりますので、事前にその点について、準備しておくようにした方が良いでしょう。
問題の数が多く、処理のスピードを要求される試験であるため、このスピードに慣れておく必要はあります。英語でかつ技術全般問題の処理スピードが問われます。これは、英語のテストを例に取れば、TOEICでのスピードと似ている面があります(初めてTOEICを受けた人は、最後の問題までたどり着く前に試験時間が終わってしまうことがあるという話をよく聞きます)。

以上のように、英語がどれぐらいのレベルならば良いかとの議論はあまり意味がありません。特に、最近日本(東京)で実施される試験では、問題を解くこと以外は日本語が多く使用されるようになったので、特に、英語のヒヤリング能力は、以前ほどは問題にならなくなりました。もちろん 試験問題は全て英語ですが、回答は択一のマークシート方式です。 要は、テクニカルタームは試験勉強の過程で十分理解して覚え、 また幅広く時間をかけて技術全般をよく理解すれば対応可能であり、 高度の文法や長文読解力はそれほど要求されません。

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