実施日:2024年11月8日(金) 14:00~16:00
見学場所:神戸市東灘処理場
参加者:4名(PE 4名)
兵庫県は東灘区に位置し、神戸市で最も大きな下水処理場である”東灘処理場”様で施設見学会を実施しました。東灘処理場付近は魚崎郷と呼ばれる酒造地域で、日本を代表する酒どころです。(余談となりますが、ノーベル賞公式行事の提供酒として選ばれている”福寿”は灘のお酒です)また、東灘区には日本を代表する進学校である灘高等学校があります。
さて、下水処理場と言えば、家庭や工場で発生した下水を集めてきれいにしてから川や海に放流するイメージでしたが、良い意味で東灘処理場様には裏切られました。
それは、東灘処理場様は「下水道は人類が生存する限り枯渇することのない資源・エネルギーの宝庫」という認識のもと、以下の取組みを実施されていたからです。
1.下水汚泥をガス化し、自動車燃料として供給
2.汚泥の中に含まれているリンを回収し、肥料原料化
3.外部バイオマスを活用して、消化ガスを発電に利用
さらに、東灘処理場と約2kmの海底トンネルで一体となっている汚泥焼却設備では、
4.処理水での、汚泥焼却排ガスの洗浄
5.汚泥焼却排熱での、地域温水供給
6.汚泥焼却灰の、アスファルト、セメント原料化
7.処理水をオゾン処理し、再生水として配水
などにも、継続的に取組んでおられます。
いかがでしょうか?一つならまだしも、とことん有効活用されており驚嘆に値すると感じるはずです。
また、1995年1月に発生した阪神淡路大震災の被害により下水の処理が不能になるも、敷地内にある運河で職員さんの懸命な働きで簡易処理を実施し、なんとか耐えたというお話しにはいたく感動しました。
下水処理のシステムはすでに完成されたように感じましたが、もっとよくできるはずだという情熱を持っておられ、その心意気は我々もずっと持っておかねばならないと改めて感じた良い見学会でした。
最後に、貴重な時間を費やして工場内をご案内頂いた神戸市建設局東水循環センターの瀧村様には厚く御礼申し上げます。