日時:2025年6月22日(日) 14:00~16:15
参加者数:40名(PE会員33名、PEN会員3名、FE会員1名、AF会員1名、非会員2名)
形式:Web配信
演題:CO₂排出量問題とその周辺に関する考察 ―いくつかの分野から見て,考える―
講師:中央大学理工学部応用化学科 教授 大石 克嘉 先生
本日のご講演では、大石先生のご専門である固体型CO₂吸収剤のご説明の前段として、我々の日常生活における水と電気の重要性、今後のAI発展に伴う消費電力の増大傾向、発電に必要な熱は石油や水素を燃焼させて得ていること、原子力発電の方式、CO₂排出量の増加トレンドなど、関連情報について幅広くご説明をいただきました。その後、実際にCO₂を吸収・分離・回収する方法や現在研究中のテーマの技術的課題、回収されたCO₂の廃棄場所や可能性のある応用分野についてご紹介をいただきました。
CO₂排出量増大への対応は、各国共通の深刻な課題であることは理解していましたが、CO2は目に見えず臭いもしない、どの国が出したCO₂かを区別することはできない、などの点から扱いが非常に難しいものであるといったご説明は点は目から鱗でした。また、今回のご講演で、CO₂排出量に関する問題は、非常に幅広い分野、すなわち、CO₂吸収材という材料の開発は言うに及ばず、吸収したCO₂の廃棄場所、発電を含むエネルギー問題、各国の国益に関わる問題など政治的問題も関係することを理解するとともに、純技術論だけでは解決できないデリケートで複雑なものであることを認識でき、大変貴重な機会となりました。
大石先生におかれましては、CO₂吸収剤のみならず、CO₂排出量問題に関連する幅広い内容について大変わかりやすくご説明をいただき、厚く御礼を申し上げます。