東京都認証 特定非営利活動法人

日本プロフェッショナルエンジニア協会

Japan Society of Professional Engineers

【実施報告】2024年度関東JSPE Day

日時:2024年11月2日(土)14:00~17:40(17:45~ ワンコイン懇親会)
参加者数:38名(PE会員33名、PEN会員5名、講師3名)
形式:会場(東京都江東区古石場文化センター第4・5研修室)+Web配信

会員講演①
講師:桜美林大学 航空・マネジメント学群 特任教授 義本正実さま(PE会員)
テーマ:視覚情報がパイロットに与える認識のメカニズムと安全向上について
 パイロットがいかに高速離脱誘導路などの施設を正確に認識し、
建設中の誘導路に誤進入しないためにはどのような情報が効果的なのか、被験者による認知実験の結果をもとに大変わかりやすくご説明いただきました。滑走路の処理能力を上げるための高速離脱誘導路等の設置工事は、通常、滑走路は運用されたまま夜間に行われるので、誘導路が徐々に形を現すと初めて見たパイロットが建設中の誘導路に誤進入するリスクが高まるとのこと。この課題に対して、被験者による認知実験の結果、パイロットの認知メカニズムや判読されやすい標識の色や位置などが判明し、設計者が留意すべきポイントを明示いただきました。成田国際空港で設計や運営等に長年従事されたエンジニアでいらっしゃる義本さまならではの大変興味深いご講演、誠にありがとうございました。

会員講演②
講師:小川祥生さま(FE会員)
テーマ:行政土木職の仕事
 行政土木職の業務について馴染みがおありの方は多くないかもしれません。その意味からも、本日の小川さまのご講演では、 行政の土木の仕事、行政土木職(発注者)の業務、国家公務員・地方公務員のご経験、道路改良事業、行政土木の今後など、多岐に渡る内容をわかりやすくご説明いただき、土木系公務員のやりがいや悩みについて垣間見ることができたように思われます。お話にもあったように、日本では人手不足、資金不足など多くの課題を抱える中、高経年インフラ設備も益々増えてくることが予想されます。ご講演の中で書籍「荒廃するアメリカ」を引用され、「米国は日本に先行して同様の課題に取り組んでいる」とのお話が印象に残り、ぜひ一読してみたいと思いました。本日は普段うかがえない貴重な内容をご講演いただき、誠にありがとうございました。

基調講演
講師:大場公徳さま(東洋エンジニアリング株式会社)
テーマ:プラント設計時における地下工事の工期遅延リスク検知システム (AIforU) の紹介
 大場さまが開発に携わられた工期遅延リスク検知システムについて、
 開発の背景、AI技術企業との共同開発の流れ、リスクの検知結果、今後の更なる展開等について、大変わかりやすくご説明いただきました。プラントEPCプロジェクトでは、様々な要因で工事段階で遅延が発生し、全体工程やコストに大きな影響を及ぼすことがあります。このシステムにより、設計段階において、工事段階で発生しうるスケジュール遅延を引き起こす地下施工性のリスクを、設計段階の3D CADモデルから検知することができるとのこと、また、既に実案件へ適用中とのことで、さらなる改良による意思決定の迅速化・容易化を期待したいと思います。 本日は大変興味深いご講演をいただき、誠にありがとうございました。