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【実施報告】FY2024関西技術施設見学会

実施日:2024年7月19日(金)  14:00~17:00
見学場所:木村化工機株式会社 尼崎工場
参加者:8名(PE 8名)

 兵庫県は尼崎市に位置する木村化工機株式会社殿で、7月19日(金)に施設見学会を実施した。木村化工機株式会社殿の歴史は古く、今年の11月で創業100年を迎えられる。なんと、野球の聖地として有名な阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)も今年で100周年であり、同じ兵庫県で産声を上げた2つの企業と球場が大戦を経て今日まで活動されているのは、やはり社会から必要とされているからこそと改めて感じた次第である。

 木村化工機株式会社殿は現在3つの事業部(エンジニアリング事業部、エネルギー・環境事業部、化工機事業部)と、それら事業部を支援する開発部から成る。エンジニアリング事業部は、蒸発・濃縮装置、熱交換器など多岐にわたる化学装置・各種プラントの開発・設計・製作・現地工事を行っている。エネルギー・環境事業部はMOX燃料製造設備やグローブボックスなど原子力装置を、化工機事業部はプラント設備・機器のメンテナンスを主体としている。さらに、木村化工機株式会社殿は、売り切りの事業ではなく、設備のメンテナンス・診断を行い、適切な状態を保つための分析機器とそれら機器を駆使して適切に判断できる人材を保有している開発部があり、自社で完結出来る体制となっている。

 さて、見学会はまず、木村化工機株式会社殿の会社紹介から始まり、各事業の説明を実施していただいたのだが、さすがProfessional Engineerの方々、初っ端から活発な質疑応答がなされた。かなり専門的な質問であっても、一つ一つ丁寧に回答していただき、あっという間に予定時間を過ぎてしまった。

 5分休憩の後、様々な製品を作っている工場を案内して頂いた。タンクやポンプなどの機器類を製作工場内でフレームに乗せて一体化するためのスキッドに始まり、蒸留、抽出、吸収、洗浄、反応などの化学操作を行う縦型の圧力容器(Towerと呼ばれ、直径に比べて胴が長く高さが高いもの)や、チタンをプラズマアーク溶接で1パスで溶接している現場まで見せて頂いた。溶接と言えば肉盛りのイメージがあるが、この溶接方法ではそのような肉盛りがなく、ただただ驚くばかりであった。ただし、この技術を適用させるにはそれなりのノウハウが必要であるとのことで、改めて技術力の高さをうかがえた。また、鉛工場では機械遺産として推薦できるであろう大型圧延機がまだまだ現役で活躍中であったのには驚いた。最後に実際に材料の試験を行っている開発棟を見学し、アカデミックなアプローチも大切にしている姿勢を感じることが出来た。見学中、見学後の質疑応答も活発であり、大変有意義な見学会であった。

 見学会ではもっと専門的な用語が飛び交っていたが、筆者の能力では皆様にお伝えすることが出来ず残念である。是非、施設見学会に参加いただき知的興奮を体験して欲しい。最後に、貴重な半日を費やして工場内をご案内頂いた木村化工機株式会社の谷口様、また施設見学会を設定頂いたJSPE会員の立野様には厚く御礼申し上げます。

                                                                  参加者集合写真