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日本プロフェッショナルエンジニア協会

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日本工学会R6年度第1回会長・フェロー懇談会参加報告

懇談会のテーマ:激甚化する災害への挑戦 ~自助・共助・公助の視点から~
16:00~16:05 開会の辞 岸本喜久雄 日本工学会会長
16:05~17:20 (1件あたり講演15分,質疑3分)
 土木学会フェロー 小松利光(九州大学名誉教授)
 地盤工学会フェロー 三村 衛 (京都大学名誉教授)
 電気学会フェロー 横山明彦(東京大学名誉教授)
 情報処理学会フェロー 村山優子(岩手県立大学名誉教授)リモート講演
17:20~17:50 総合討論 司会 岸本喜久雄 日本工学会会長
17:55~18:00 閉会の辞 道奥康治 日本工学会副会長
18:10~19:30 懇親会(対面のみ)

講演①:小松先生(河川工学) 
共助が最重要。そのための自主防災会について20年以上活動が継続している丸亀川西地区の事例などを紹介。行政任せではなく住民主体の活動の継続性について示唆あり。その他に、鶴田ダムとともに水害に強い地域づくりを考える意見交換会の紹介もあり。

講演②:三村先生(地盤工学) 
自然災害のうち、降雨時斜面崩壊、土石流、地震災害(液状化等)に関してわかりやすく解説。また地盤変状(変位)による被害についてもメカニズムの紹介あり。リスクを広く周知することが地域住民やステークホルダーにとって必ずしもポジティブにはならないとのこと。

講演③:横山先生(電気工学) 
北海道胆振地震、台風15号(2019年)、能登半島地震での停電について解説。電気に関しては公助に頼る傾向があるものの、共助(マイクログリッド)、自助(オンサイトPPA)などの動きが出てきていることを紹介。電気事業法の改正に伴い、一般送配電事業者には災害時連携計画が義務化されていることも解説。

講演④:村山先生(情報処理) 
岩手県立大学勤務時に発生した東日本大震災の経験談と学び。津波や地震波歴史的に繰り返し発生しているが、その事実や学びが引き継がれていない。Data→Information→Intelligenceであり、「情報」共有ではなく「意識」共有が必要。

総合討論:
学識者として「中立」を保つことの重要さ。このことが地域住民の信頼獲得に繋がる。災害時になってからではなく、平時からの活動が重要。既に62の学協会が参加する「防災学術連携体」が発足している。一方で、同一また近接する専門分野において、工学と理学の連携はあまり進んでいない。

懇親会で得た情報:
 日本工学会の幹事役は参加している学協会の持ち回り。任期は2年。(本年は化学工学会)
 日本工学会のフェロー(約150人)は全員、理事経験者。(公式には会員推薦の形式)
 日本工学会には一般会員は居らず、正会員は各学協会となる。よって今回の会長・フェロー懇談会の出席者も参加学協会の代表者・事務局長・それらの代理、日本工学会フェロー、日本工学会理事に限定されている。
 一般向けのセミナーなどは一切実施していない。
 各学協会が日本工学会へ参加(会員資格維持)している主たる目的は、各方面の専門家・第一人者との知己を広め、自学会の講演会などの講演依頼をするためのネットワーキングにある。
 日本工学会は公益社団法人なので、営利活動には参画できない。
 設立150周年(2029年)記念イベントを計画中。
 日本工学会の主流は機械系らしい。