東京都認証 特定非営利活動法人

日本プロフェッショナルエンジニア協会

Japan Society of Professional Engineers

【実施報告】JSPE Day 2023 – Day 1 (第359回CPDセミナー)

■講師・スケジュール:
2023年11月18日(土)
・・13:00~13:05 開演・Creed斉唱
・・13:05~13:45 西久保様(JSPE会長)
・・13:45~14:45 西村様(PE会員)
・・休憩
・・14:55~15:55 高松様(PE会員)
・・15:55~16:40 藤田様(PE会員)
・・16:40~16:45 閉会・片付け
・・YEP参加者は移動

■講演タイトルおよび要旨:
西久保様:
「NSPECON2023の参加報告 / NSPECON2023 in Kentucky」
8/2-5にケンタッキー州のルイビルにて開催されたNSPECON2023の参加報告を、直近の参加経験をふまえて概説します。
今回は、コロナ明け二回目の対面形式であり、昨年まで開催できなかった見学会も含まれたフルコンテンツとなっており、1エンジニアとしても非常に価値のある体験でしたので、あたらためてこの機会に紹介します。
来年以降の参加希望者や、NSPEに興味がある会員は、ぜひこの機会を活用して疑問点を解消してください。

西村様:
「低炭素化社会実現のためのプラスチック配管エンジニアリング」
近年、欧⽶の先進国各国では、プラスチック製品の環境優位性が⼤いに⾒直さ れ、各⽅⾯で積極的なプラスチック材料の採⽤が拡⼤しています。適切に設計配慮されたプラスチック製品を他の材料で作られた製品と⽐較した場合、ライフルサイクル(LCA)評価での環境負荷が圧倒的に有利であるという論⽂が多数発表され、プラスチック材料の真価に対する再評価が進んでいるためです。 本講演では、まず、⾦属材料と対⽐しながらプラスチック材料を採⽤する上で、設計上の注意点となる特性について解説します。次に、世界最⼤級のプラスチック配管メーカーである ジョージ・フィッシャー社が世界中のエンジニアに向けて⼀般公開している設計基準書 -Planning Fundamentals-の内容を引⽤し、プラスチック配管エンジニアリングの要点につい て解説します。

高松様:
「グローバル技術コミュニケーションの価値」
「⽇本の良い技術を世界へ・世界の良い技術を⽇本へ」を目指して、PE・PMP取得後、⽇系電機 メーカーから海外オートメーションメーカーへ転職しました。
⾃動⾞製造⼯場の海外グローバルプログラムマネージャーとして、海外PE/PMPと⼀緒に仕事をする機会にも恵まれました。現在は⽇系製造業の⽣産性向上・リスク低減を目指してデジタルツインズ技 術を⽇本に広めています。苦労した点、得られた効果についてご紹介させていただきます。

藤田様:
「発電プラントエンジニアとしての25年を振り返って」
1999年に三菱重⼯⾼砂製作所に⼊社以来、⼀貫して発電プラントのエンジニアリ ングに携わり、来年3⽉で節目の25年を迎える。⽔処理設備から始まり、熱交換器の開発、 プラントヒートサイクルの検討、配置計画、系統計画等、⽕⼒及び原⼦⼒発電プラントに 関わる多種多様な経験が出来た。また、様々な国を訪問させてもらった。その中で気づいた普遍的なものと、これまでの経験を踏まえて、現在取り組んでいることについて、紹介する。

■実施報告:
PE会員:33名 PEN:1名、非会員:3名
西久保様:
NSPE総会の内容を報告いただき、最近の開催の様子が良くわかりました。ツアーは単純な見学会ではなく、各都市の課題解決を含めた技術紹介となっているようでよく検討されていると感じました。出発から帰国まで8日必要ということですので、仕事をしている間は個人的に参加するのは難しいのが現状です。一方でJSPEの母体であるNSPEへ参加することは意義がありますので、JSPEの補助制度等の活用を考えたいと思います。お忙しい中JSPE活動を引っ張っていただき、ありがとうございます。

西村様:
環境に対してマイナスイメージが強いプラスチックですが、きちんと評価すれば用途に応じて使い分けるのが適切というのがよく分かりました。プラスチック袋の方が紙袋よりも環境負荷が小さい、ポリエチレン管は地震で曲がっても破損せず、腐食も無く金属管よりも性能が高い、電気溶着による現場での柔軟施工など。 積極的なエンジニアリング活動をされており、本日はありがとうございました。

高松様:
参加者の中にはPMP、PEの方々と接する機会は非常に少ない方もいますが、プラント関係ではPMP、PEがスタンダードとなっており、意思疎通の基盤となっていることが分かりました。会社組織をリアル部、バーチャル部とする案は面白いと思います。 Digital Twinsという言葉は頻繁に耳にしますが、どこか現実味が無いと感じていました。本日のお話で、具体例の一旦をご紹介いただき、イメージがわきました。Digital Twinsを作るために相当の時間と費用を使うと思いますので、バランスが大切かと思いました。ありがとうございます。

藤田様:
多くの苦労談、経験談を興味深く聞かせていただきました。特にステンレスの微生物腐食が新鮮でした。最後に示されていた「機械は嘘をつかない」「安易に要因を決めつけず、客観的に分析する」という点に非常に共感いたします。「エンジニアはお客様のお困りごとを解決し要求を実現する存在である」という言葉が腑に落ち、心に残りました。ご講演ありがとうございました。