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【議事録】JSPE-JABEE-NSPE合同会議

<日時> 2018年6月1日(金)15:00 – 17:00

<出席者(計10名)>

JABEE 有信睦弘会長、青島泰之専務理事、三田清文事務局長、高橋明子国際部主任

JSPE  川村武也会長、横山佳生理事、森山亮理事、西久保東功理事

NSPE   トム・ロバ―ト会長夫妻(Tom and Karen Roberts)

 

<場所> エネルギー総合工学研究所 (IAE、新橋)

 

<概要> 総会前日の6月1日午後、東京・新橋で3年目となるJSPE、JABEE、NSPE合同会議を実施しました。この試みは、日本国内においてJABEEという国際的なエンジニアリング教育の認定枠組みがあることを米国側にも知ってもらう、および米国におけるエンジニアリング教育の最新動向を我々日本側も知っておくことを目的としています 。

今回の会議では、まずJSPEから過去2年間の活動内容として、会員PEに対してmulti-disciplinaryも意識してもらえるようなCPDセミナー、エンジニアサロン、プロジェクトマネジメントセミナーを実施しているとの紹介を行いました。ロバート会長からは、直近2年間のCPDセミナーで網羅した分野がNSPEの示唆している技術分野の約半数をカバーしており、特定の分野に偏っていないことは素晴らしいとコメントをもらいました。併せて、JSPEが2017年度に提供した約1,100時間のCPD(継続教育)については、NSPEが会員向けに提供しているFree Webinar(年間15 CPDまで)を説明され、会員が継続的に学習しやすい環境をどう構築するかも重要だと伺いました。JABEEからは、日本の大学在籍者の99%は18 – 22才と偏っており、社会人が教育を受ける環境になっていないのは課題と感じているとコメントを受けました。

次にJABEEから、ワシントン協定への2005年の加盟に先立つ2004年の加盟審査結果、2012年の継続加盟審査結果および2017年に実施された第2回目の継続加盟審査について紹介がありました。エンジニアリングデザイン教育に関しては改善が認められるが、Multi-disciplinaryチームワークがまだ十分ではない事が指摘されています。スタンフォード大学のDスクールのような他分野との融合をどのように効果的に進めるかという点は、今後の大きなテーマとなるだろうとの意見が出ました。PEライセンス登録の際に必要となる学歴要件をJABEEで対応できる州は現時点で4州(Texas、North Carolina、Kentucky, 他)のみで、他の州にWAをどう認知してもらうかはJABEEだけでなく、NSPEとしても取り組まなければならない内容であるとのことでした 。

ロバート会長からは、PEライセンス制度について、ビジネス拡大の視点からはライセンスが不要と考えている州が2/3以上と非常に多いという調査結果を説明いただきました(https://www.nspe.org/resources/issues-and-advocacy/action-issues/threats-professional-licensure)。しかし、これはQBS (Quality Based Selection、総合評価方式) で品質が担保されているから、つまり不具合が起きていないから言えることであり、ライセンス制度が不要となると前提が崩れかねないと説明を受けました。一方で、品質を担保するための制度という視点に立つと、カンザス州では申請から認定まで標準で6ヶ月、ネバダ州では42日と週によって大きなばらつきがあるため、ライセンスの認定・承認プロセスの高速化が市場の求めるレベルに達していないことは課題であると紹介されました。州間でライセンスを承認するcomity制度はあるものの、PEライセンスの要求事項(経験、reference数、州独自の内容)が州毎に大きく異なり、uniformでないことも1つの足かせになっているとのことでした。

会議は予定の2時間を超えて、活発な意見交換が行われ、来年も是非継続したいということを確認して終了しました。

なお、ロバート会長ご夫妻とJSPE側参加者3名とは、そ の後新橋の創作和食店に場所を移して、更に日米間の継続教育について話を行い、親睦を深めました。